国際標準規格
ここでは湿度のグローバルな標準整備体制についてお話しします。
近代の標準整備体制はメートル条約の締結に始まります。
1 メートル条約
1875年にパリでメートル条約が17か国によって締結されました。
主な目的は二つです。
1)単位の統一
2)標準の共通化
1)は大リーグで投手の投げる球を“〇〇マイル”などと言っていますね。いまだに世界中の単位は統一されてないのです。学術的な会議ではSI単位という基本的な7単位で他の単位を表す方式に統一されていますが、産業界ではなかなか完全な統一には至っていないのが現状です。
ここでは2)について詳しく説明します。
2 計量標準を司る組織
各国の基準が異なっていたら、あらゆる取引をする際に困ってしまいますね。重さ単位で売買するものなどは大変です。そのようなことがないように、各国の標準の整合性を確認することが必要となります。 組織の一番上には三つの組織があります。国際度量衡総会(CGPM)、国際度量衡委員会(CIPM)、国際度量衡局(BIPM)です。 その下に各計測単位の委員会があり、湿度は温度と同じCCTという委員会に属しています。下図がおおまかな組織図です(NMIJの国際計量室WEBより)。
3 各国の標準機関
前章の各計測単位の委員会に委員を送り込み、各国の計量標準を管理している機関が各国の標準機関となります。 日本はNMIJ(産業技術総合研究所)、アメリカはNIST、イギリスNPL、ドイツPTB等となります。各国の標準機関は単位が違えば違う機関がまかなう場合もあり、日本では電気の標準のJEMIC(日本電気計器検定所)、ガスの標準物質を供給するCERI(化学物質評価研究機構)のような例があります。各委員会は基準となる計測器を用意して、各国の標準機関がその値を測定し比較する持ち回り試験を実施して各国の標準の整合性を定期的に確認しています。
4 標準機関が採用したProcessInsights(PI)社製のMBW露点計
持ち回り試験をすることによって、各国の標準機関の優劣が定期的に決められてしまうことになります。ですから、標準機関は自身の測定精度が少しでも高くなるように日夜、技術革新を行っています。PI社のMBW鏡面式露点計はそのような標準機関に多数採用例があり、また湿度の持ち回り試験に使用する機器の殆どがPI製MBW露点計です。PI社MBW露点計は測定の信頼性を世界から認められた露点計なのです。
5 認定校正機関とJCSS
各国の標準機関だけでは、その国全体の計量機器の値を校正することは、できません。そのため、決められた校正手法で国に認められた校正機関による校正も運用されています。ISO/IEC17025 は、国際標準化機構(ISO)によって作成された校正機関の能力や手法に関する規定です。この規定を踏まえて日本では JIS Q17025という同内容の日本語版が作成されJCSS(Japan Calibration Service System)として運用されています。当社も低露点域(-70℃~-10℃)において、日本で初めて認定を受けています。
もいすちゅーの水分講座
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- 露点・湿度について考える
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- 計測器について
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