計測器を使用する
主な業界の規格
様々な業界において、測定の需要は高まっています。特に医薬品業界に代表される品質に厳しい業界からのお問い合わせが多くなっております。
その場合、単なる測定のみでなく測定に関する規格や法規が多岐に渡るため注意が必要です。
以下によくある規格について紹介します。
1 JISにおける圧縮空気の露点の規定
圧縮空気(エアー)の品質(汚染物質の定義及び等級を表す際の基準)に関連して、以下の規格があります。
JISB8392-1:圧縮空気-第1部 汚染物質及び清浄等級(JIS規格は、ISO8573-1を元に作成されています)項目としては、露点を始めとして清浄度(塵芥の有無)や油分の有無がありますが露点についての基準は以下です。(JISB8392-1より抜粋)
等級 | 圧力露点 ℃ |
---|---|
0 | 等級1より厳しい条件で、使用者又は納入業者が指定する。 |
1 | ≦−70 |
2 | ≦−40 |
3 | ≦−20 |
4 | ≦+3 |
5 | ≦+7 |
6 | ≦+10 |
以下省略
業界によって必要とされる圧縮空気の品質は様々です。
テクネ計測では等級1以上の場合はTK-100、2級ではTE-660、3級以下ではEE354と複数の露点計の用意が可能ですので、性能やコスト等最適な提案が可能です。
2 バリデーション
よく行く食堂が、同じメニューを頼んでもいつも味がバラバラだったらどうでしょうか。
ちょっとがっかりですよね。それが料理ではなく、口や注射から体内に入る医薬品であったら・・と考えるとゾッとしますよね。
そんな事が起きないよう、製造工程の様々な条件を管理するのがバリデーションです。
厚生労働省令第百七十九号第二条5には、“「バリデーション」とは、製造所の構造設備並びに手順、工程その他の製造管理及び品質管理の方法が期待される結果を与えることを検証し、これを文書とすることをいう。“と記載されております。
つまり、
・条件を考え、手順を考え、文書化
・手順どおり実施し、トレーサビリティのある計測器を用いて結果を記録
ということになります。
バリデーションでは現地で校正を行う例が増えております。テクネ計測はトレーサビリティのある校正を現地で行うことをバリデーションの実施と考えており、対応が可能です。条件や仕様についてもお気軽にご相談ください。
また、医療分野におけるバリデーションを規定したものとして、GMPがあります。歴史的には、FDA(アメリカ食品医薬品局)認定をベースに、WHO(世界保健機関)がGMP(Good Manufacturing Practice、製造管理・品質管理基準)を作成、その後国連から各国に採用の勧告がなされ、日本では1980年に省令が交付されたそうです。アルファベット略語好きにはたまらないですね。お料理のレシピに当たるのがバリデーションで、レシピの書き方例えばお塩少々、ではなく1gと書きなさいと決めたのがGMPといったところでしょうか。つまりGMPは医薬品の製造管理と品質に関する基準でよい医薬品を製造するためのルールです。なおGMPでは製造工程だけでなく、材料や製品の保管、つまり倉庫の環境の管理も重視されています。
3 IQ/OQ
新しい設備や機器の導入時に、それが適したものかを事前に確認し、また時にも性能の確認や操作方法の説明をすることをIQ/OQと呼んでいます。
1)IQ:Installation Qualification (据付時適格性確認)
測定器、製造工程での機器、製造設備などが、正しく選定され、据え付けられ、仕様書通りに適合し作動することを確認し、記録すること
2)IQ:Operational Qualification (稼働性能適格性確認)
測定器、製造工程での機器、製造設備などが、仕様書通りに、初期の性能があるかを確認し、記録すること
テクネ計測ではIQ/OQの対応が可能です。現地での立ち合い等必要な場合には、本社、大阪、福岡の三拠点から対応いたしますので、仕様や条件、実施場所等についてご相談ください。
4 HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)
製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法です。
以前は最終製品の抜き取り検査が一般的でしたが、100個の内2個が良品だったとしても必ずしも残りの98個が良品とは言い切れませんでした。HACCPでは、全製品の品質を効果的に確保するために、各工程において検査を実施し、記録します。
厚生労働省によりますと、従来の方式とHACCPの方式との違いを比較すると、これまでの最終製品の抜き取り検査に比べて、より効果的に安全性に問題ある製品の出荷を防止できるとされています。
テクネ計測では、製造工程や保管工程の管理に必要な、様々な仕様の温湿度計やCO2濃度計、風速計等を用意しており、トレーサビリティのある校正が可能です。