校正について
修理・校正を依頼する際は、受付番号が必要ですのでご連絡下さい。
受付番号発行後、下記の申込書をDLし記載して、製品に送付してお送りください。
テクニカルセンターを新設し、厳格な環境の中、計測器に不可欠なトレーサビリティのある校正・サポート業務を行っております。
校正とは
校正とは、測定器や計測装置の動作が正常であることを確認した上で、測定値の信頼性を確認する作業です。
どうして校正が必要なの?もいすちゅーがわかりやすく解説
「どうして校正が必要なのか」「トレーサビリティの必要性」について、弊社のキャラクター「もいすちゅー」と露点計のものがたりでわかりやすく解説します。
1)島にはもいすちゅーの露点計が設置されています。
もいすちゅーは島の天気掲示板の気温と湿度を見て露点計をあわせています。
2)島の湿度計は長く壊れており、島の人は温度計の温度と、もいすちゅーの露点計の表示値から湿度を計算して記載しています。
3)天気掲示板の湿度ともいすちゅーの露点計ではどちらが正しいといえるでしょうか?
※上記の3コマは、ザンジバル島の時計の話をテクネ計測がアレンジを加えて作成しました。
参照:JCSSの概要 | 適合性認定 | 製品評価技術基盤機構
もいすちゅーの露点計と島の人が書き込んだ天気掲示板の湿度とどちらが正しく水分量をしめしているのか、考えてみましょう。
仮にこの島だけで活動する場合は、どちらも正しいと言えるかもしれません。
お互いに数値を合わせているので、どちらかを基準とすれば、この島で暮らす分には支障が起きないからです。
しかし、毎日毎日少しでもずれた数値を確認していると、いつか大幅な差異が生じてしまいます。
その島が属する国全体を考えると、地域ごとに露点の基準が違うと不都合が起きるので、国の基準に島の基準をあわせる必要があります。
更にその国の周辺国の基準も合わせ…と続いて最終的には世界の基準の露点計と数値を合わせる必要があります。
まとめると、島の基準→国の基準→周辺国の基準→世界基準とどんどん上位の基準にさかのぼることで、より汎用性があり、信頼性がおけることになります。
校正の重要性
計測器は製品やサービスの品質を数値的に管理するために重要な役割を果たします。
また、コストや消費エネルギーを削減するためにも幅広い分野で貢献しています。
しかし、せっかく計測器で品質管理をしようとしても、測定値が正しいかわからない状態では意味がありません。計測器の校正は測定値の信頼性を確保するために欠かせない重要な事項です。
きちんと校正をした計測器を用いることが重要であることの例として、例えば重さの単位をとりあげると、金の取引等で重さが取引の単位となることは多いです。もし、同じ重さを測っても、取引相手と測定値が違っていたらどうなるでしょう。違う国の相手とどちらが正しいか、という裁判になってしまいます。
水分量の単位は、直接的に取引に関わってくることは少ないですが、品質を保証するために水分量を管理することが必要な例は多々あります。例えば塗装を乾かすための乾燥空気の乾燥度が想定より高かったら、十分に乾かず塗装が剥げたりムラができたり悪くすると腐食の可能性だってあります。ドライルームやグローブボックスで薬品やさまざまな物質を調合する場合でも湿度管理をしてないと偏りができて所望の成分が得られないことにつながります。
木材、食品や半導体にも水分管理は必要ですし、こうしてみると水分管理を必要としないプロセスの方が少ないのかもしれません。
また、同じ測定器を用いていても、計測器の経年劣化、もしくは不具合等で測定の誤差が増える可能性がつきまとうため、定期的に値が正しいこと(国際基準とトレーサブルであること)を確認する必要があります。
信頼性のある測定を維持するために、各計測器の定期的な校正を推奨します。
校正間隔は計測器によりさまざまです。TK-100露点計の場合、測定部のセラミックの経年劣化のため1年に1回の校正を推奨していますが、人工的で安定度の高い高分子を使用した湿度計やPT100温度計の劣化が主な鏡面冷却式(ミラー式)露点計は2年に1回の校正を推奨しています。使用環境の影響もあるため、劣化を促すゴミや腐食性物質がある環境下ではそれよりも短い校正間隔を設定する必要があるかもしれません。
まとめると、水分管理はさまざまな製品の品質管理に直結しており、信頼性のある測定を維持しつづけるために、継続的にトレーサビリティのある校正を実施することは、とても重要なことです。
トレーサビリティとは
トレーサビリティとは、ある測定結果や製品の特性が特定の基準や標準に関連付けられ、その基準や標準に追跡可能であることを指します。具体的には、ある測定結果や製品の特性がどのような基準、標準、または参照物に基づいているかが明確にされていることを意味します。計量のトレーサビリティは、測定結果や標準値の性質が、不確かな情報とともに切れ目のない比較の連鎖によって決められた基準に結びつけられる状態を指します。
ある計測器の測定値が信憑性を持つためには、別の信頼できる計測機器との比較(校正)が必要であり、さらにその基準となる計測器も信頼性の高い基準に適合する必要がある、ということです。
参照:JISC関係用語と略語集(計測の)トレーサビリティ
校正証明書と試験成績書の重要性とは
測定器の校正結果の正確さを示すものとして「校正証明書」や「試験成績書」があります。
校正証明書の重要性
校正証明書とはトレーサビリティのある機器で校正を実施したことを宣言する書類です。
「校正の重要性」で述べた水分管理の測定の信頼性を担保するのが(株)テクネ計測で発行している校正証明書です。それぞれの企業は水分量の管理値が正しいことを保証する技術や機器を持ち合わせていないのが普通です。
それをどう保証するかというと、測定機器を販売している(株)テクネ計測のような企業が保証していることを書面で示すことが必要です。
(株)テクネ計測の発行する校正証明書は、当社で販売した製品の測定値が国際基準にトレーサブルであることを宣言した書類です。
私たちは、さまざまな製品の品質保証の一部を担っていることを自覚して日々活動に励んでいます。
試験成績書の重要性
試験成績書とは測定器の校正結果だけでなく、動作確認した結果も成績として表している書類です。
試験成績書は、測定器や製品の性能を客観的に評価し、その情報や校正データを記録しています。校正証明書にはこのような情報が載っていないため、試験がどのように行われたのかを具体的に確認するためには、試験成績書を参照する必要があります。
テクネ計測の校正をご紹介
株式会社テクネ計測では信頼性のある測定を維持するために、各計測器の定期的な校正を推奨しています。
計測器には経年劣化がつきものであり、どの計測器も時間の経過とともに測定誤差の可能性が増えて行きます。その誤差が測定精度に影響をしないことを確認することは重要です。
テクネ計測の校正環境をご紹介
当社では、本社内に位置するテクニカルセンターで、温度・湿度管理が厳格に行われた環境下で、各種計測器に対しトレーサビリティの確保された校正を行っています。トレーサビリティのある校正には、ISO/IEC17025に基づくJCSS校正とISO9001に基づくISO9001校正の2種類があります。露点計の校正においては、鏡面冷却式露点計を基準器とし、高精度の湿度発生器を用いて、信頼性の高い校正が行われます。
各種機器ごとには、その機器を正確に校正するための手順書が用意されています。たとえば、「QMS-B-A03_静電容量式露点計校正基準書」では、自動校正や正確な校正を実施するのに必要な諸条件(環境条件、安定時間等)が詳述されています。
また、必要に応じてクリーンな環境下での校正を行っています。
校正室のご紹介
見学も可能ですので、是非お問い合わせください。
露点基準器
MBW鏡面冷却式露点計を13台保有し、内8台がトレーサビリティ基準器に(写真右)
Tiger Optics 等との比較を定期的に実施(写真左)
JCSS認定校正
-70 ℃から-10 ℃までの低露点域の対応
露点計校正
細かくはWEBではお見せできませんが、様々な機器を使い校正・調整作業を実施
他社製品用の校正器
英国SHAW社をはじめとして様々な他社メーカー製品を校正・調整
温湿度校正器
最高精度のCGS-240中心として、簡易湿度校正器のフェンサーの導入
標準ガス
SF6、O2、CO2などは標準ガスによる校正・調整を実施
品質管理
イエローボードで客先品を区別する等109種類のマニュアルで品質管理を徹底
プレートで場所を表示
見学者多数により識別明確に
テクネ計測のトレーサビリティをご紹介
株式会社テクネ計測では、計測機器の校正に焦点を当てており、ISO/IEC17025に基づくJCSS校正やISO9001校正など2つのトレーサビリティのある校正を提供しています。特に、鏡面冷却式露点計を基準器とし高精度の湿度発生器を用いて信頼性の高い校正を実施しています。
機器の信頼性を確保するためには、2重・3重のバックアップ体制が整えられています。製品「MBW373LX」では、1台がNMIJ(計量標準総合センター)の基準、もう1台がNIST(米国国家標準研究所)の基準に基づいて厳密なチェックが行われ、これらの標準器がお互いを比較参照し信頼性を高めています。TigerOptics製の測定機器についても、NISTによるバックアップ体制が整えられています。
※MBW製品:さまざまな国の基準器として採用されている鏡面式露点計
参照:https://www.tekhne.co.jp/product_colum/column_04/
TigerOptics製品:CRDS式原理を採用し、最低露点、応答速度がMBW以上でNISTでも採用を開始され始めた次世代の基準器です。
NISTは全世界の基準を統一するために、各国で各計測単位の基準を司る機関が設置され、基準の維持改善に当たっています。National Institute of Standards and Technology(NIST)は、米国の国家標準研究所です。国家標準研究所の業務は以下のようなものです。
① 国家計量標準器の開発及び維持
② 整合性のある測定を行うための方法の確立
③ 他国の標準器との互換性の保証
各国の標準研究所を順位付けするということはされていませんが、各機関の実力は、その機関が表明する不確かさ(基準器を用いて校正を行う際の正確さのようなもの)の大きさで判断できます。例えば”不確かさが10-7kg”の意味は“10-7kgの正確さで校正できる“という意味であり、小さい方がその機関の能力が高い、といえます。NISTは全世界の国家標準研究所の中で、各単位でトップレベルの不確かさを誇る機関で、つまりは世界で最高の国家標準研究所ともいえます。この事実を踏まえて、NISTとのトレーサビリティを確保した校正は、信頼性の証として産業界に認知されています。
校正作業は厳しいルールに基づいて行われます。環境が整っていないと正確な校正ができないため、校正前に環境の確認を行い、30分以上待ってから校正を開始します。大きな変化が予想される場合には、そのような状況下での校正を避けるようにします。
これらのルールは、ISO9001品質マニュアルの一部である「QMS-B-A01_校正に関する一般事項」に基づいています。具体的な校正の基準は、環境の温度や湿度、待機時間などであり、「QMS-B-A02 校正フローダイアグラム」に校正の手順や流れ、外部のプロセスとの関連が詳細に記載されています。
トレーサビリティを維持している校正供給範囲
当社では、以下の範囲でトレーサビリティ機器を維持し、トレーサビリティを常時確保しております。
項目 | 基準器維持範囲 | 供給可能範囲 | 校正周期 | 該当国家標準 |
---|---|---|---|---|
露点 | -95~+85℃ | -90~+20℃ | 2年 | NIST |
-70〜+10℃ | 1年 | 産総研 | ||
-20~+85℃ | 2年 | 産総研 | ||
5%~90% | 2年 | 産総研 | ||
温度 | 0〜100℃ | 0〜100℃ | 2年 | NIST |
0〜30℃ | 3年 | 産総研 | ||
酸素 | 100ppm,1% | 100ppm,1% | 2年 | 産総研 |
CO2 | 1000ppm | 1000ppm | 2年 | 産総研 |
SF6 | 95%,98% | 95%,98% | 3年 | 産総研 |
正確な測定を保証する2つの校正認定
JCSS認定校正とは
JCSS認定校正とは、計量法校正事業者登録制度(JCSS)によって認定された校正サービスを指します。
JCSSとは、Japan Calibration Service System、計量法校正事業者登録制度、の略です。計量法に基づいて経済産業大臣に代わりNITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)が校正機関を登録する制度で、高精度な計測や品質管理の信頼性確保を目的として立ち上がりました。計量法にもとづいた審査(技能試験や文書・現地審査)により、校正能力、品質システムや不確かさの見積り方法が規定に合致していることを認められた機関だけがJCSSの校正事業者として登録されます。
当社は、認定基準としてISO/IEC 17025(JISQ17025)を用い、認定スキームをISO/IEC 17011に従って運営されているJCSSの下で認定されています。JCSSを運営している認定機関(IAJapan)は、アジア太平洋試験所認定協力機構(APLAC)及び国際試験所認定協力機構(ILAC)の相互承認に署名しています。
ILAC (International Laboratory Accreditation Cooperation: 国際試験所認定協力機構)は国間でお互いの基準を受けるための取り決めを決める機関として、1977年に発足しました。その相互承認取決めのことをMRA(Mutual Recognition Arrangement:相互承認協定)といい、現在115の参加国・地域の107の認定機関が署名しています。
IAJapanはNITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)の一部門であり、上記MRAに署名し、国内の相互承認制度を構築・維持する業務のほか、校正事業者の校正能力の認定業務を取り仕切っています。
当社校正室は、国際MRA対応JCSS認定事業者です。JCSS 0272は、当校正室の認定番号です。
テクネ計測のJCSS認定校正をご紹介
テクネ計測は、-70°Cから-10°Cまでの低露点域において、日本で初めてJCSSの校正事業者として登録されております。
これにより、トレーサビリティの有る従来のISO9001校正に加え、JCSSがISO/IEC17025に準拠し適切であると認定された、設備・品質システム・校正方法に則った校正を行うことが可能となり、その不確かさが国に認められています。
その結果はJCSSロゴが記載された校正証明書として発行されます。
また、弊社は国際MRA対応事業者としても認定されており、弊社発行のJCSSロゴ付校正証明書は、国際相互承認プログラム(MRA)により、海外でも受け入れられます。
ISO9001校正とは
ISO 9001は、品質管理システムに関する国際的な規格であり、組織が顧客満足を向上させるために適切な品質管理プロセスを確立し、維持するための枠組みを提供します。
ISO 9001に基づいて、組織は製品やサービスの品質を確保するために、適切な測定器の管理と校正を行う必要があります。つまり、ISO 9001品質管理システムの一環として、測定器の校正が重要な要素となります。組織は、ISO 9001に適合するために、測定器の校正を適切に計画し、実施し、記録する必要があります。これにより、製品やサービスの品質が維持され、顧客満足度が向上します。
ISO 9001は、品質管理システムに関する国際的な規格であり、組織が顧客満足を向上させるために適切な品質管理プロセスを確立し、維持するための枠組みを提供します。
テクネ計測のISO9001品質規格をご紹介
当社は、ISO9001品質規格の認定事業者です。一貫した製品、サービスの提供及び顧客満足度の向上を目指し、品質マネジメントシステムを実行しています。校正においても同規格の厳格なシステムに準拠しトレーサビリティ関連書類を発行しております。
ISO9001は校正業務に特化した規格ではありませんが、当社では以下のような事項をとおして、校正品質の維持改善に日々努めております。
① 測定器のトレーサビリティ確保
② その他の設備機器の定期点検の取り決め等維持管理
③ 力量を認定された要員による校正業務の実施
④ 調達先の定期的評価。評価された調達先からの物資調達
⑤ 顧客依頼内容の記録、変更が必要な時の迅速な報告
⑥ 不適合業務が発生した場合の再発防止処置及び効果の確認
⑦ 定期的な顧客満足度調査
⑧ 年・部門毎に目標を設定した品質目標管理プロセス
⑨ 各プロセス業務の継続的改善
テクネ計測の「湿度測定の指針」をご紹介
当社では、英国NPL、英国計測制御学会共著「湿度測定の指針」の翻訳・発行・販売を行っております。
詳しくは下記ページをご確認ください。
株式会社テクネ計測は、幅広い露点計の校正に対応します
テクネ計測では、幅広い露点計の校正に対応しています。
工場向けの計測機器メーカーは一般の方にはなじみは少ないと思いますが、実は皆さんがよく知っている大手メーカーのほとんどが当社のお客様です。
豊富な実績と強固なバックアップ体制で、生産性向上や環境に優しいものづくりに貢献しています。
他社校正・調整に関して
自社製品はもちろん、他社の計測機器の校正にも対応しています。当社で販売していない他社の製品に対しても、供給範囲内であれば、校正・調整を受け付けております。但し、製品により当社における調整が不可能なものも御座いますので、調整の可否についてはご相談ください。
連絡先
本社営業部 044-379-3697
大阪営業所 06-6809-6565
福岡営業所 092-477-7330
From Overseas
+81-44-379-3697
受付時間 9:00~17:00(土日祝日を除く )
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