製薬
製薬業界の研究・開発、製造工程における気体中水分管理
日頃の生活において体調を崩したり、病気になってしまった際にお世話になるのが薬です。
私たちは医師の診察後に処方してもらう薬であったり、薬局で販売されている市販薬であったり、様々な経路から手にすることになります。
昨今では感染症の危機に瀕し、その重要性を改めて感じることとなったのではないでしょうか。
そんな大切な薬を創り出すためには、適した環境が備わっている必要があります。
今回は製薬業界においてテクネ計測の機器がどのようにお役立ていただけているかご紹介させていただきます。
製薬のこれまで
薬とは、病気を予防したり、治す手助けをしてくれることから私たちの生活に欠かせないものです。
薬の歴史は古く、人類の歴史と重なるとも言われています。
人類は、薬として用いるために自然界から探し出し、治療をおこなってきました。
日本における薬に関する記録では、1万数千年前の縄文人の住居から、薬に使ったと思われる植物が発見されています。
現代社会において薬は日常の生活になくてはならないものとなっており、
人の体に取り込み作用するため、極めて安全なものである必要があります。
そのため、薬機法という法律によって、厳しく管理されています。
日本では、国(厚生労働大臣や都道府県知事)が品質、有効性、安全性に関する審査をおこない、合格したものだけが販売されています。
厳しく管理されているからこそ、皆さんが良い薬を安心して使うことができます。
そして良い薬を創るために研究が重ねられ、製造し、その品質を確認するために必要な環境作りや検査すべき計測器の存在が欠かせません。
また、昨今新たに発生している感染症により人類は脅威に晒されております。
時代の変化と共に現れる病気に対して早く・高品質な薬を市場へ提供することは急務となってきています。
製薬の用途
●クリーンルーム
クリーンルームは、空間の空気中にある微粒子や微生物が清浄度レベル以下であり、
供給される薬品や水等においても清浄度が保持され、
環境条件(温度、湿度、圧力等)が管理されている空間である必要があります。
医薬・医療品工場において何故クリーンルームが必要となるのでしょうか?
それは塵やゴミの存在が薬品の品質に影響を与えるためであり、更にやっかいなのが目視できない菌の存在です。
菌は病原性を持っていることが予測され、薬を必要とする病人にとってその存在自体が命とりとなってしまう可能性を孕んでいます。
また、恐ろしいのは菌が一度侵入すると栄養源を見出し、増殖し続けることが考えられます。
これらから医薬品研究施設・製剤工場においてクリーン環境がいかに重要であるかが理解いただけるものと思います。
クリーン状態を維持するためには、気体における水分を監視することが必須の要件となり、
当社では水分管理として、以下製品のご用意があります。
露点計:低露点ならTK100、高露点測定をお望みの場合TE660
防爆露点計ならTK100EX
温湿度計:空調・一般用途ならEE210、室内用ならEE10
防爆温湿度計ならEE300EX、表示部不要なら安価なEE100EX
●造粒・打錠・乾燥
原料を粉末の状態から顆粒の状態に加工します。
また、打錠となると「うす」と「きね」で混ぜ合わせた顆粒を圧縮し、
錠剤の形に成型するため原料の顆粒への加工・打錠・乾燥工程において水分管理が必須です。
更に留意すべきことは粉体のため危機管理が必要となり防爆製品が求められます。
防爆露点計ならTK100EX
防爆温湿度計ならEE300EX、表示部不要なら安価なEE100EX
●グローブボックス
作業者が薬に直接触れないようボックス内の圧力を調整し、グローブを使ったうえで作業を行います。
環境の管理は、グローブボックスのある部屋だけではなく、製造室も同様に空気圧が調整され、もしも製造設備から薬が漏れても製造室内に閉じ込め、外部へは漏れないよう環境造りを行い、監視されております。
それだけ細心の注意をはらうのもグローブボックス内の雰囲気管理が研究・検証結果を左右するためです。
そのため、気体の水分を測定・管理、あるいは一定に保つことは重要となります。
そういった環境下での測定には、実績のある当社露点計をご推奨致します。
露点計:低露点ならTK100、高露点測定をお望みの場合TE660
●製品品質検査
錠剤の耐久検査において水分の劣化検証を行います。
容器の中に錠剤を入れ、加湿したことにより錠剤がどのように、どれぐらい変化していくかを確認する必要があります。
そのためには、加湿装置が必要であり、当社には研究用にすぐれた精密加湿装置がございます。
また、加湿した容器内の水分を測定するための(高温)高湿度環境下で使える温湿度計EE33もご提案可能です。
●封入ガス測定
薬品・薬剤を封入する際に窒素をパッケージ内へ送り込みます。
その際、窒素の水分状態が一定且つ低水分でないと商品が劣化してしまいます。
拠って、封入する際に使われる窒素の水分測定・管理は重要となります。
露点計:低露点ならTK100